名著「こころ」(夏目漱石)の書評を今更に述べる
こんにちは!
今日紹介するのは、こちら!
「こころ」(夏目漱石著)です。太宰治の「人間失格」と小説売上1.2位を走る人気小説です。
「この2冊の知識は、ビジネスマンになってからの教養のためにも読んだ方が良い」
オリラジのあっちゃんがそんなことを言ってた気がして、今回読んでみました。
こころ あらすじ
「私」と呼ばれる人の語りから物語が始まります。「私」の大学卒業前後の話であり、「先生」と呼ばれる人と出会ってからの日々が描かれています。
3編分かれていて、先生と私の出会い、私と父の病気、先生の過去という流れで進んでいきます。先生は博識でありながら、職に就いているわけでもなく、死んでいるように生きています。これはなぜなのか?私が純粋な心で彼と信頼関係を深めながら探りました。そして第3章の手紙の中で、ついに先生は自らの壮絶な過去について語ります。
こころ 名言
「こころ」には今の世でも通用する名言が多くあります。今回はその中でも私のこころに残ったものを紹介します。
悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな 普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。
先生が私にかけたこのセリフ。この言葉は第3章の手紙の中で告白される彼の過去から、学んだ言葉であり、非常に共感性が高いです。
また、
香をかぎ得るのは、香を焚き出した瞬間に限るごとく、酒を味わうのは、酒を飲み始めた刹那 にあるごとく、恋の衝動にもこういう際どい一点が、時間の上に存在しているとしか思われないのです。
恋愛に関するこの言葉も非常に共感できますよね。
こころの感想
正直、前半はとても退屈でした笑
中々本題に入らず、というか本題は何かさえ分からぬままら物語が進んでいく印象です。ただ、第3章からはとても面白かったです。人間の多面性が細やかに表現されていました。それでも、この手の作品特有の長ったらしい説明に多少の読みにくさはありますが、笑
先生や私がどうなったのか結末は分からず、作品は終わります。そこからどうなったのだろうと読者が想像して、会話が生まれます。こんな感じで、作品からコミュニケーションが生まれるコンテンツがいつの時代も選ばれる作品になるのでしょう。そのためには最も読者に興味を持たせたことは細かに解決して、それ以外の部分を読者にゆだねることで不快感なく読まれるのでしょう。